ステラおばちゃん
 戸塚の駅周辺が再開発されるずっと以前のことだが、駅前に客が4人も入れば満席のカウンターの店があった。料理がめっぽう美味しく、特にオックステールシチューなど絶品だった。店名はステラマリス、自分のことをおばちゃんと呼ぶお婆さん一人が切り盛りしていて、常連客の間ではステラおばちゃんで通っていた。長い間元町で営業していたそうだが、事情があり戸塚に来たとのこと。元町時代の客もけっこう通っていた。「ステラおばさんのクッキー」よりも遙か昔のことで、商標のおばさん像もステラおばちゃんに雰囲気が似ているからヒントにしたのではないかと思われた。行った当初はお婆さんひとりで大丈夫なんだろうかと人ごとながら心配していたが、ある日酔っぱらい客に対して静かなもの言いではあるが、眼光鋭く断る場面を見たことから、ただならぬお婆さんだと興味が沸き急速に親しくなったが、その後どっぷりと深く関わることとなった。右はおばちゃんを偲ぶ会のために作った冊子。