盲動犬アンソニー君
アンソニー君と桜井よう子さん
 盲導犬の理解と協力を得るためのイベント「盲導犬ふれあいウォーキング」に行った。現役の盲導犬とそのユーザー、盲導犬訓練士、パピーウォーカー、募金係り、記念グッズ係り、交通整理係りなど大勢のボランティアによるもの。我々のグループ10余名にはアンソニー君(ラブラドールレトリーバ オス7才)とユーザーの桜井よう子さんが同行してくれた。半日みっちりとふれあい、盲導犬や視覚障害について勉強した。歩行中は神経を集中しているから突如声をかけられると頭の地図が途切れるので大変困るそうで、中には「話しかけないでッ!!」と強くハッキリいう人もいるそうだが、決して怒っているわけではないので誤解しないでほしいとのこと。また盲導犬も触れられたり目を見つめられたりされると、やはり集中力が途切れるので決してしないでほしいこと。危険な場合は別にして、声かけは慎重にしなければならないこと。しかし相手が困っていそうな時は、積極的に「何かしてあげられますか?」と声をかけてほしいこと。また会話する時は黙って頷くのではなく声を出さないとわからないこと等々です。
 桜井さんは10年前に視覚・聴覚を失ったそうだが、絶望の淵から這い上がり前向きに行動するようになり、逆に周囲の人々を明るく元気にしてしまったというすばらしいパワーの持ち主だった。ブログを持ち、「アンソニー、きみがいるから」(ポプラ社)という本も出したことを帰りがけに聞いて、あらためて納得した。
 私もアイマスクを付けてハーネスを握って歩いてみた。アンソニーとはまったく信頼関係ができていないので、だいぶ苦労させてしまったようだったが、陽気もよく本当に心暖まる一日だった。視覚障害者に対して、これからは少しは自信をもって対応できそうな気がしている。 ('10.3.20)