防災航空隊
 記録的な快晴続きと云われた今年のゴールデンウイーク、またまたN氏のヘリに乗せてもらった。今回は筑波と高崎に着陸するコースだ。9時前に離陸したが、上空は追い風が吹いていたので対地速度は平均75ノット。都心上空を通過したのが9時過ぎだったが、地表は無風らしくて朝靄に覆われて景色がぼけていたのが少々残念だったが、早くも9時半過ぎに筑波ヘリポートについてしまった。時速約140キロで殆ど一直線の飛行なのだから当然といえば当然のことだ。
皇居の上は避けて通る
中央上は、建造中のスカイツリー
 そこは、民間のヘリポートで、遊覧飛行のヘリや防災航空隊のヘリの基地にもなっていた。火災その他事故時にレスキュー隊が被災者を救出するのだが、筑波山で遭難した登山者も対象になるので年間300〜400回は出動するとのことだから、日に1回程度ということになる。防災航空隊にすればもっと活用してもらいたいとのことだが、事件が少ないのか消防署が遠慮しているのかは分からないが、レスキューで使っているヘリの維持費は年間1億円だとか。ヘリコプターというのは維持費5年分で1機買えるそうだから一機5億円ということらしい。個々の部品の使用期限が法律で定められているので、壊れてなくても取り替えなければならないのだそうで、もしトラブルが発生した時は所有者の責任になるとのこと。まさに金食い虫だ。一方、駐機料は1時間ほどで僅か820円だった。郊外の公共の場所だとはいえ、一機でテニスコート半分くらいを使用するにもかかわらず料金に驚くのはおそらく私だけではないだろう。
防災ヘリ 羽の下に見えるのは救助用ウインチ
防災ヘリの中
高崎観音
河川敷の高崎ヘリポートに着陸
高崎観音のそばでソバを食べてから家路についた(?)が、最後まで向かい風を受けて遅いときは30ノット台にもかかわらず、所用時間は僅か1時間20分と無茶苦茶な早さだ。高速道路はあちこちで渋滞している中、様々なアンバランスを感じた一日だった。('10.5.3)

 防災ヘリのことだが、7月25日に秩父の山中で墜落事故が発生した。沢登りをしていて滝つぼに落ちた女性を救助しようとして隊員5名と遭難者1名がなくなった。ホバリング 中、ヘリ自体が発生させた下降気流に機体が巻き込まれて上昇できなくなるというセットリング・ウィズ・パワー現象によるものだそうだ。今や殆どの山で携帯電話が通じるそうで、ヘリによる救助要請の半数以上が遭難者自身から携帯で連絡があるのだと報道されていた。中高年の登山が増えているようだが、いざとなれば携帯で助けを求められるからと山に対する油断があるのかもしれない。その後、現地取材のテレビ局記者とカメラマンが遭難し2名が亡くなる事故のおまけまでついてしまった。これも山の取材にしては装備が軽装過ぎたものらしい。残念ながら各人各様に山を侮ってしまった結果なのでしょう。 合掌 ('10.8.2)

 その後の聞いた話では、上記事故はローターで樹の枝を切ったことがきっかけとか。高いところから水に飛び込むと水が石のように固いのと同じことで、雨の中を飛行すると高速で回転するローターは、雨粒をカットすると傷だらけになるそうだ。まして太い枝なら尚更大変なことになるわけだ。('10.8.13)