シネマ×パイプオルガン
 みなとみらい大ホールへ「シネマ×パイプオルガン」を見に行ってきた。チャップリン作品の「スケート」(1916)とバスター・キートン作品の「大列車追跡」(1926)の二本立て、勿論サイレント映画で、ピーター・クラシンスキーというオルガン奏者によるパイプオルガンの即興演奏で鑑賞するというもの。
 「スケート」は20分ほどの短編なのでストーリーとしてはシンプルなものだったが、「大列車追跡」は75分の見応えある長編コメディ。その間休まず音楽や効果音を演奏し続けるのだから演奏者も大変だったと思うが、もしそれがなかったとしたら面白さや感動の度合いは随分違ったことだろう。
 それとは別に後ろの席から聞こえる小学生の純真な笑い声も一層映画を引き立ててくれた。終わった後その子が母親に「もう一回みたいッ!!」と云っていたが、たまたま目が合ったので「ホントにおもしろかったね」と自然に言葉が出たけれど、それほど会場全体もゆったりした空気に包まれていた。最近の映画はCGが駆使されテンポも速い映画ばかり目立つけど、こんな気分で見終えたのは随分久しぶりの気がする。(12.9.23)
スクリーンが置かれるので実際にはオルガンも奏者も見えない
監督・主演のバスター・キートン