黒川蝋燭能
 長屋門公園開設20周年で行われた黒川農の蝋燭能を観に行ってきた。 25年近く前になるが、山形県の農の匠の会の人達に連れられて羽黒山神社で行われた薪能に行った時のことを鮮明に覚えている。山中の神社だけに霊験あらたかで、まさしく幽玄の世界だったが、演者の山形訛が何とも親しみがあり味わい深かく、機会があれば是非また観てみたいものだと思っていた。
 黒川能は500年以上も続く民俗芸能で、現在春日神社の氏子240戸の中、能役者としては囃子方を含めると子供から長老まで150人もが活動しているというからすごい。今回も高校生くらいの少年が出ていた。蝋燭能は舞台周りに置かれた一貫目蝋燭の炎の明かりだけが照明でそれ以外にない。薪能は屋外なので其処此処で開催されるが、建造物の中で開催される蝋燭能は消防法の関係で春日神社と長屋門公園でしか行われていないらしい。一貫目とはいえ蝋燭だけの古民家の世界は、ほんの少し500年前にタイムスリップした気分になれた。演目は羅生門、猩々、狂言は柿山伏。能役者は囃子方を入れると総勢25名ほどそほか裏方もいるから相当な人数である。(24..11.10)

囲炉裏のある板の間が舞台となり、土間が正面観客席、左右庭に特設観客席がある。舞台正面にあるのが一貫目蝋燭で正面に4カ所と上手側に2カ所に設置されている。 残念ながら撮影禁止なので上演前の様子だが、そうでなくても暗すぎて撮影は難しかったと思う。