吹奏楽団てんまつ記
 二俣川サンハートを練習会場とするヨコハマ旭ウインドアンサンブルに見学に行った。28年の歴史を有する楽団で、団員は中学や高校大学の吹奏楽団から音大出身者までいて演奏歴数十年、中には半世紀を越す83才の男性もいる。入団資格もテストもなく、誰でも入団を受け入れるということで、正直なところ尻込みしたが、虎穴に入らずば虎児を得ず、エイッままよ、付いて行けなければその時考えればよいとばかり11月に入団させてもらった。
 さっそく2月に定期演奏会があると聞かされる。通常は半年から1年かけて練習するところが、丸3ヶ月しかない。今さら逃げるわけにもいかず、3部中2部だけの出演も可ということになり、以来猛特訓の日々となる。まるで受験生のような気分になってしまったが、まさに真剣勝負に挑む心境だった。
 コンサートの前日(2/8)は45年ぶりといわれる大雪となり首都圏は30〜40センチほど積もった。当日はすっかり回復し温かい日となったものの足下の悪さが影響して来場者は180人余りだった。サンハートでは毎回立ち見が出るほど盛況だそうで、今回は収容人員の多い泉公会堂となったらしいが、残念なことだった。
 本番はやはり緊張してしまい指の動きも固くなったが、曲をぶち壊すほど大きなミスはしなかったと思う。団員は親切だし、同パートの人たちからアドバイスももらえるので、めげずに来年も頑張ってみようと思っている。(2014.2.10)

翌年のコンサートに向けて配られた曲は、Allegro vivace(早くて元気良く)やAllegro animato(早くて生き生きと)。おまけに16分音符が数10小節も連続するような極端に忙しい曲が多かった。速さは四分音符でテンポ138だから、計算すると1秒間に10回近くも両手の指を動かさなければならない。指揮の先生は、じっくり練習すれば動くようになるからと励ましてはくれたので、その気で5ヶ月間練習してみたがまるで近づけそうにもない。同じ音で指を変えずに連続して吹いてみても指定のテンポには及ばない。これは訓練とか慣れで何とかなるというよりも我が身の身体能力の問題と悟った。鈍足の己がこの歳から100mを12秒で走るために練習を始めるようなものだ。来春のコンサートで迷惑をかける前に早く退団した方がよいと伝えると、同パートの人たちから励まされたり引き留められたりしたので気持ちも若干揺れたことは揺れたけれど、やはり思い気って退団することにした。しかしこの9ヶ月間猛特訓したことにより複雑な楽譜への怖れもだいぶ薄れたし、以前に比べると音色もだいぶ良くなったのではないかと思っている。これからはオーケストラの曲でなくスローな軽音楽を楽しもうと思う。(2014.7.20)

1・2部は黒服に蝶ネクタイ 曲目は1部が、風の谷のナウシカ、世界の約束、アリエッティソング、ひこうき雲、さんぽとジブリシリーズ、2部はマンハッタンビーチ、第三組曲、天空の城ラピュタ・ハイライトと難曲ばかり
3部は上が白に下はジーンズ(クラパートは赤白のバンダナ着用) 曲目は八重の桜、あまちゃんのオープニングテーマ、いつでも夢を、ディズニースペクタキュラー、アンコールはビヤ樽ポルカ