かみさまとのやくそく
 2〜3才の子どもに尋ねると、母親の胎内にいた頃のことや出生時のことを記憶をしていて、それを母親に語ることがあるという。それらを専門家の立場で向き合う現場のドキュメンタリー映画だと聞き、「タイナイキオク?ほんまかいなッ?」と俄然興味が沸いた。
 子ども達が共通して云うには、生まれる前は宇宙みたいな所にいて子ども達が大勢おり、そこにはテレビのようなものがあって女性が次々と現れる。それを見て子どもたち自身が気に入った女性を母親として選び、滑り台のようなものから胎内に入るのだという。そこには大仏のような神様も見えたらしい。そんな子どもに「何のために生まれてきたの?」と尋ねると「人の役に立つため」とはっきり答える子どもが幾人かいた。中には胎内の子どもとコミュニケーションする力があるので、将来は助産婦になりたいという子どももいた。
 人の役に立ちたいその人とは、まずは両親であり、とりわけ母親なのだそうで、それは自分の存在が母親を幸せにすることだとのこと。それだから親が子のためにつらい思いをするとか苦労するというのは子どもの意思とは真逆なのだそうだ。
 また胎内にいるときに親の話す内容は胎児が理解しているだけでなく、おへそあたりから外界をうっすら見ているらしい。胎児はまだ目が見えないはずだから、目で見ているのではなく夢を見ているような感じで見ているのではないかという話だが。逆子の胎児に言って聞かせることで正常な位置に戻り無事安産できた母親のケースや、両親が喧嘩している時、胎児が母親のお腹を蹴っ飛ばしたら仲直りしたよと幼児同志が話しあっていたのを見たことがあるという。
 生き方、結婚、育児、家族、人生の目的等々諸々の視点で、できたら中学・高校あたりで一度見ておいたらよいとも思える作品だった。ちらしの絵は、多くの子どもが共通して描く胎内記憶とのこと。(2016.7.11)