映画「妻の貌」
 先に掲載した「戸塚のお札まき」を映画作品にされたのは神奈川映像協会々長の金子豊一さんですが、その神奈川映像コンクールにおいてグランプリを受賞した川本昭人さんの作品「妻の貌」が、劇場用に編集しなおされ、黄金町のジャック&ベティで上映されることになったのでさっそく見に行ってきました。
 この作品は、広島在住の川本さんの奥さんが、被爆がもとで甲状腺ガンになり、切除手術を受けた後も倦怠感と虚脱感に襲われながら子育てや家事をきちんとこなし、さらには亡くなるまで義母を献身的に介護し続ける様を半世紀にわたって淡々と撮り続けられたもので、ホームドラマでもあり、反戦映画でもありました。映画撮影は何しろ50年も前から続けられたわけですから、登場する奥さんにとっても家族にとっても、カメラの存在はまるで意識してない様子で、演技ではなく実に自然な姿でした。しかし、観客が少なかったのはもったい。平日の昼間とはいえ僅か10名ほどで、それも比較的高齢者ばかりでした。尚、金子さんは「鍋割山への道」で、09年度東京アマチュア映像祭グランプリをめでたく受賞されました。