青春18キップ
 夏・冬・春休み期間に限って販売される「青春18キップ」鈍行列車の旅にこの夏行ってきた。マニアによれば東京から熊本や青森まで一日で行けるのだそうだ。16才の時、夏休みに鈍行列車ひとり旅をしたが、旅費が底をついてやむなく秋田から大阪まで27時間連続乗り続けたことがある。あれから半世紀近くたった今では、勿論無理なことなので、欲張らない計画を立てた。
 初日は東海道線・飯田線(正規に買えば5460円)、2日目は飯田線・篠ノ井線(4310円)、3日目は飯山線・ほくほく線・上越線(1890 円)、4日目は只見線・磐越西線(2940円)、最後は磐越東線・常磐線(4940円)ともっぱら涼しそうなローカル線を選んで5日間の旅。正規運賃を計算すると合計19540円のところを11500円ですんだのだから、59%の運賃で行けたことになるのでまずまずとしよう。
 運賃に少額の日があるのは、所要時間は長かったが、単線のため上下列車がすれ違いで、頻繁に15〜30分位の待ち時間があったこと、列車の乗り継ぎの連絡が悪かったことなどによるものだ。しかし、これが本来の狙いというか、鈍行の旅の醍醐味で、待ち時間に途中下車したりして思いがけないことに出会えるのも楽しみのひとつなのだから。
 ローカル線の乗客は、土地の人をのぞくと殆どの場合、旅行客は1車輌に2〜3名しかいなかった。どうやら同じキップを使っているようだが、いずれも青春18才どころか同年輩らしき人たちばかり。いくらお盆休み明け直後とはいえ列車の旅をする人がこれほど少ないのかと驚いた。おかげで車内を歩き回ったり、ストレッチ体操をしたり、駅の外に出て買った果物や野菜をかじったりしながらのんびりと車窓からの風景を満喫することができた。


宿・・・・・・・駅の待合室などで夜を過ごすようなことになったら確実にホームレスと間違われるので予め宿を取っておいたが、無人駅でもないかぎり殆どの駅にはビジネス旅館があるようだった。やはり行き当たりばったりの方がハプニングも期待できて青春だ・・・と思うので、次回があればぜひそうしたい。

キップ・・・・・・・当日の予定を時刻表で距離を計算し、運賃が2300円以下なら青春18キップを使わずに普通乗車券を買った方がトクだ。その分旅の日程を増やすこともできるし、シーズン中に限るけれど、また別の機会に利用できる。このようなこだわりもまた青春だ・・・と思うのです。
指定券販売機で買えるので、窓口で「青春18キップ」といわないですむのがうれしい
列車は日に3本しかなく、次は13:17。しかたなく早朝5:32に只見線小出駅を出発したが、車窓からの景色はまるで墨絵の世界で、その値打ちはあった。
会津川口駅では25分間の停車。カルガモのひなが連なって泳ぐ只見川畔の景色がとてもすばらしい。停車時間がもう少し長ければ温泉公衆浴場もあったのだが、、、